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IT・情報通信業界編

こちらの業界には研修等で関わることが多く、実情に即した情報提供ができると思いますので、ぜひご一読ください。

IT・情報通信業界って何?

ITは、Information Technologyの略で、情報技術のことを指します。端的に言ってしまえば、コンピュータを利用してデータを蓄積・処理し、生活やビジネスに役立てるための技術を指します。

このITにおいて、データの処理や分析の仕組みを作るのが「IT業界」、データの通信を担うのが「情報通信業界」となります。

IT・情報通信業種を細分化してみる

IT・情報通信業種を分類すると、以下の通りとなります。

通信:回線事業者、携帯電話キャリア、インターネットプロバイダー
ハードウェア:メーカー(サーバー、ルーター、スマートフォン等の製造)
ソフトウェア:OS開発、ソフトウェア開発、アプリケーション開発
Web開発&SIer:Webサイト開発・運用、情報システム開発・運用

SIerは、Systems Integratorの略です。市販ソフトを開発するのが③、個別の企業用に特注されたシステム(ソフト)を開発するのが④というイメージです。

離職率と平均給与

続いて、「離職率」と「給与」について、統計を確認しましょう。

まず、離職率です。


(引用:厚生労働省「平成29年雇用動向調査結果」より)

IT・情報通信業界は左から3つ目の「情報通信業」です。

特に、ITは「ブラックな業界」というイメージがありますし、「スキルを持った技術者が各社を行き交っている」なんていう認識もあるので、入職率・離職率ともに高いのではないかと予想されているかもしれませんが、実際は入職率・離職率ともに平均程度の業界です。

専門性が高く、「モノ作り」の仕事ですので、やりがい自体は感じておられる方が多いように思います。新卒社員が配属直後に「周囲が何を言っているのか全然分からない!」と言って辞めるパターンはありますが、勤続年数が増えるに従って、技術や知識を身につけ、自分の確固たる居場所を作りやすい業界なのでしょう。

続いて、給与についてのデータをご紹介しましょう。


(参考:国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査」より)
※元資料142ページの数値データをもとにグラフを作成、代表的な業種をピックアップ

水色太線が情報通信業の平均給与を表しています。他業種と比較すると平均給与は高めの業界です。(大卒者の比率が高い業界ですので、平均値は高くなる傾向があります)

また、グラフの傾きを見て気づかれた方もいらっしゃるかもしれませんが、給与に関しては年功序列の傾向が強い業界です(綺麗な右肩上がりの直線)。

IT・情報通信業界はチームで仕事をすることが多く、1つ1つのプロジェクトの期間も長いため、「短期スパンで個人実績を評価していく」というのが非常に難しい業界です。そのため、年功序列的な昇給制度となってしまうことが多いようです。

人手が足りない!?

IT企業での研修などの際、「人が足りない」という話をよく耳にします。
大企業こそ一段落はしているものの、中小企業ではまだまだシステム化が不十分というケースが多いですし、インターネット上のWebサービスも多様化の一途をたどっていますので、増え続ける需要に対してマンパワーが不足しているのでしょう。

また、IT技術・知識の更新が早すぎて、育成が間に合っていない点も大きいと思います。IT関連の最新技術は「教えようとしても、教えられる人がいない」という難題があるため、技術者が自分で調べて身につけるしかありません。エネルギーのある20代若手社員ならまだしも、30代中盤ともなると脱落者が出てくるのが実情です。業界に10年以上いて、新技術が出る度に調べて理解するということに疲れきっている方も残念ながら存在します。

こういった要因から結果的に人が使い潰されてしまい、人手不足に繋がっているようにも思います。

IT業界と比較すると、情報通信業界は人手不足とまでは言えない状況です。
回線(携帯電話・インターネット)という通信業界の基幹事業はすでに国内では伸びきってしまっており、社員の頭数を求める時代ではなくなっているようです(注:ただし、携帯ショップ等の「小売り」に類する現場は慢性的人手不足です)

そのため、「最新技術を扱える技術者」や「回線以外の新たなビジネスを創造できる人」といった専門性のあるスペシャリストに対するニーズが高まっているように思います。

IT業界はブラックなのか?

IT業界への就職を志望している方は気にされる部分だと思いますので、簡単に私の見解を示します。

IT業界が労働時間の面でハードだという傾向は確かにあると感じます。具体例で一番酷いケースですと、「月300時間超の残業が4ヵ月続いた」という体験談を聞いたこともあります。ただし、企業や所属する部署によるので一概には言えませんが、その傾向自体は否定できない現実だと考えています。

ちなみに、システムエンジニア、プログラマーといった「開発」に近い仕事ほど長時間労働の傾向は強まります。逆に、ヘルプデスクや保守メンテナンスの仕事であれば、営業時間が設定されていたりシフトが組まれたりするので、勤務時間は常識的な範囲に収まることが多いです。

IT企業に応募・エントリーする前に、「どういった職務を担当する可能性があるか」という点は確認するようにしましょう。

IT業界の展望・・・

「AI」・「ビッグデータ」・「ブロックチェーン」といった旬なワードに関しては一通り調べられていると思いますので、本コラムでは敢えて別の切り口、『内製化』についてお話します。

『内製化』とは、今まで社外に委託していた自社の情報システム開発・運用を社内で行うようにすることを言います。最近は情報システムの『内製化』を進めようとしている企業(特に中小企業)が多い傾向にあります。

要因は以下の2つです。
①企業の存続のために、継続的なIT投資が不可避であるという認識が広まった
②開発ツールやクラウドサービスの充実化によって、従来より低コストでの開発が可能になった

要は、「向こう数十年IT投資からは逃げられないが、昔より少人数かつ低コストで開発が可能になっているのだから、社内で作って安価に仕上げよう」ということです。

ただ、一般企業が完全な『内製化』をするのは困難です。
特にプログラミングや試験を行うフェーズはどうしても多人数が必要になりますので、最大必要人員を常時雇用するのはコスト高になります。そのため「頭数が必要なフェーズはアウトソーシングを利用し、少人数で実行可能な設計やサービス開始後の保守・運用については自社でやる」あたりが落としどころになってくるのではないかと予想しています。

こういった流れに適応するため、今後、IT業界においては「より柔軟なサービス形態」が求められることになるでしょう。

例えば、「試験フェーズのみ請負う」とか、「設計のサポート技術者の派遣」といったサービスが挙げられます。「数年前までは見積書を見て諦めるしかなかったが、今なら内製化を含めて安くできるかもしれない」と考えている企業は多いので、顧客それぞれの要望に合わせた柔軟な対応ができる企業が長期的には伸びて行くと思います。トータル提案で「一切合切を我が社で開発!合計XX億円ポッキリ!」という柔軟性に欠ける方式を続けていては、客離れは不可避となるでしょう。

情報通信業界の展望・・・

情報通信業界においては、「回線を売る(携帯電話・インターネット)」という方式で売上を拡大していくのはほぼ限界に近付きつつあります。総務省の「平成29年通信利用動向調査」によると、13歳~59歳の9割以上がインターネットを利用しており、国民の8割以上が携帯電話かスマートフォンを保有しています。誰もがインターネットに接続できる時代となった今、「人がインターネットに繋がる回線」の売上向上は望み薄となっています。

このような状況ですので、情報通信業界は各社こぞって「回線以外の収益源の確保」を目指しています。

典型例としては自社ブランドのクレジットカードの展開や、生活用品等を扱うECサイトの開設などが挙げられます。通信回線は利用料支払いが定期的に発生するため、電子マネーやクレジットカードとの相性が良好であり、そこから新しい事業に繋げようとしているのです。

もう1点力を入れているのは「人ではなく『モノ』がインターネットに繋がる回線を売る」という分野です。

要は、IoT用の回線を売るということです。

今後、家電や自動車など様々なモノがインターネットに接続される時代になりますので、受け身で待っているのではなく、「〇〇をネット接続して××機能を提供できます」と、協力企業に新たなビジネス企画案を売り込んでいくような姿勢が求められます。

こちらの実例としては電気使用量を計測するスマートメーター向け回線などが分かりやすいでしょうか。スマートメーターは、検針員が現地検針する代わりにネットワークを通じて使用量データを収集するため、回線使用料につながる新ビジネスとなっています。

求められる資質や能力は?

IT・情報通信業界に必要とされる能力を1つあげるとしたら、「コミュニケーション能力」になります。

IT・情報通信業界の仕事は「長期スパンの案件をチームで実行する」という特徴がありますので、「人の言っていることを正しく理解する」ことと「自分の考えや抱えている課題を端的かつ正確に伝える」ことが確実に要求されます。

これができていない人が多いから、誰が何をやっているか分からなくなって、プロジェクトが「炎上」するのです。

また、この業界の仕事においては関係者間の技術・知識レベルの差が如実に表れます。特に大きいのが、顧客とエンジニアの技術・知識レベルの差です。

「IT企業の技術者が何か説明しているのだけれどサッパリ意味不明だった」と顧客がボヤかないために、「何をどこまで理解しているか?」という点を会話で探りながら、相手の知識レベルに合わせたアプローチをとる能力が求められるのです。

IT・情報通信業界にはセキュリティに強い人、ネットワークに強い人、顧客業務を理解している人など十人十色のスペシャリストが存在します。しかし、それらの知識・技術を結集して「商品」にしていくことができる人はほんの一握りしかいません。そういう意味では超人材不足です。

情報技術に自信がなくとも、人と協力して1歩ずつ着実に「モノ作りをしていく」という仕事に興味がある方は、IT・情報通信業界を目指してみてはいかがでしょうか。

文系卒から「モノ作り」に近い仕事に食い込むという観点でもおススメの業界です。

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