就活は「自分を売り込む特殊な営業」?

「就活は、学生自身を売り込む営業活動である」と、よく言われますが、商品を営業する場合と同じく内定を得るには、人材としての差別化が必要です。営業スキル(≒就活テクニック)ばかり上げたところで、ライバルとの差別化ができなければ勝ち残ることは難しいのです。

こんにちは。人財育成コンサルタントの吉田竜一です。

今回は、「就活は、学生自身を売り込む営業活動である」という就活格言についてです。

筆者も昔はセミナーやコラムなどで使っていたフレーズではありますが、最近はあまり使わないようにしています。

どうしてそうなったのか、想像しながら読んでくださると幸いです。

営業は「商品」を、就活生は「自分」を売る

まず、就職活動と実際の営業活動の何が違うのかを明確にします。

それは、商品が営業パーソンと一体化しているか否かです。基本的に営業パーソンが売るのは商品であって、自分ではありません。自動車にしろ、衣服にしろ、家電にしろ、「営業・販売する人」と「商品」は別個の存在です。

一方、就活における学生の立ち位置はそれとは異なります。就活において、売る商品は「自分」です。では、「自分」を売る営業担当者は誰かと言えば、それもまた「自分」です。

「魅力を伝え、契約(内定)してもらう」という点は確かに同じではありますが、就活は「自分」を売る特殊な営業と考えるべきでしょう。

商品価値が高い方が売れやすい

実は、営業分野は筆者のホームグラウンドです。年間何十回と営業研修で日本中を回っています。営業に一家言ある者として、「営業スキルだけで商品は売れない」とは言いませんし、思ってもいません。

しかし、「商品の魅力がより高い方が売れやすい」というのも間違いのない真理です。そして、この点は就活に置き換えることも可能です。「自分の魅力が高い方が、内定を得やすい」というのはその通りなのです。

ただし、ここにややこしい問題が潜んでいます。

それは、就活においては「営業スキルも学生の魅力の一部」になってしまうという点です(下図のようなイメージで理解してください)。

一般的な営業活動において、商品そのものの価値を高める行為と、営業スキルを高める行為は別です。しかし、就活においては、営業スキルを高める行為が、人材価値を高める行為でもあるのです。

そして、さらにややこしさを増している要素が、就活テクニックです。

就活テクニックのほとんどは、自分の魅力を伝えるための技法であり、営業スキルに通じる点が非常に多いため、「就活テクニックを磨く⇒営業スキルの一部が身につく⇒人材価値の一部がアップ」という理屈が成り立ちます。

これが、就活において就活テクニックが重宝がられる原因の1つです。ここに焦点をあててトレーニングすれば、就活テクニックと営業スキルと人材価値の一石三鳥が狙えるというワケです。

営業スキル(≒就活テクニック)以外の価値も磨こう

上記で図解したように、就活テクニックが向上すると学生の人材価値もトータルで向上するのは事実です。「ビジネスマナー」「簡潔に書いたり話したりする力」「魅力をアピールする技術」、全て人材価値の一部と言えます。

ですが、ここで注意していただきたいのは、営業スキル(≒就活テクニック)は人材価値の「一部」に過ぎないということです。

そして、ほとんどの就活生が一定の就活テクニックトレーニングを積んで選考に挑んでいる時点で、就活テクニックでは人材価値の差別化がしにくいということです。(さらに下図参照)

商品の営業と同じく、内定を得るためには差別化が必要です。就活テクニックが人材価値の一要素であるのは事実ですが、そこばかり上げたところで、差別化できなければ勝ち残ることは難しいのです。

就活において、即効性のある就活テクニックにすがりたくなる気持ちは理解できます。しかし、就活テクニックだけで突破しようとすると「分の悪い勝負」になってしまいます。

ぜひ、「どうやって他の学生と差別化するのか」について、お子さんと一緒に考えてみてください。

The following two tabs change content below.

吉田 竜一

大手外資系企業のプロジェクトマネージャーを経て、人財育成コンサルタントに転身後、人材育成研修等のプラン設計・講師などを歴任。現在、アンタントコンサルティング株式会社代表。「企業と人財のミスマッチを防ぎ、現場力を高める」がモットー。

アンタントコンサルティング株式会社HP

人材育成コンサルタント・吉田竜一の就活プロファイル

このページは役に立ちましたか?