★デキルニンの就活業界分析★教育業界編

デキルニンオリジナルの【教育業界分析情報】です。業界を細分化して分類。さらに教育業界の「離職率」や「平均給与」情報も掲載。もちろん、業界動向が分かる「TOPICニュース」や「今後の業界展望」、「求められる資質や能力」にも言及!

人財育成コンサルタントの吉田竜一です。

業界分析とは、世の中にある業界の種類やその特徴を知り、自分が興味のある業界を見つけるために行う就活の大事な作業のひとつ。

「人気企業ランキング」などを見る前に!
業界地図などの本を読む前に!

今回は、筆者そしてデキルニンの属する教育業界を取り上げます。

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教育業界を細分化してみる

教育業界を細分化してみると、年齢や職業などに応じた多種多様な教育サービスが展開されています。

学校:学校法人(幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専門学校)
学習支援業:学習塾、予備校、家庭教師
社会人教育:資格予備校、企業研修業
その他:通信教育、習い事教室系(音楽教室、スイミングスクール等)

この業界は、ほとんどがBtoCのビジネス形態と言えます。

上記③の社会人教育に属する企業研修(筆者の本業)も契約形態としてはBtoBと言えますが、結局のところ指導対象は一人の人間ですので感覚的にはBtoCに近いのではないかと感じます。

離職率と平均給与

続いて、「離職率」と「給与」について、統計を確認しましょう。

まず、離職率です。


(引用:厚生労働省「平成29年雇用動向調査結果」より)

教育業界は右から4番目の「教育、学習支援業」が当てはまります。

「少子化なのに入職率の方が多いの!?」と驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、少子化や若い世代の人手不足によって1人の人間に対する教育投資の額は増加傾向にあります。そのため、業界の景気はまずまず好調で、入職者の方が多い状況となっているのです。

続いて、給与についてのデータをご紹介しましょう。


(参考:国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査」より)
※元資料142ページの数値データをもとにグラフを作成、代表的な業種をピックアップ

教育業界は赤色太線の「学術研究、専門・技術サービス業、教育、学習支援業」に含まれます。

実際の給与水準も概ねこのような推移で、上下差もあまり大きい業界ではないと思います。ただし、いわゆる「カリスマ講師」と呼ばれる人々だけは別格の報酬を得ています。人々の注目を集め、熱中させられる技術を持つ方が稼ぐには適した業界かもしれません。

また、筆者のように起業して独立講師・コンサルタントとなる人も多いため、55~60歳の定年退職によって収入の減少影響を受けにくく、他業界と比較すると55歳以降の給与減少が緩やかになる特徴があります。

「定年を機に経験や特技を活かして講師に転身した」というエネルギッシュな同業者もいます。

2020年教育改革

いま、教育業界を賑わせている最もホットなワードは「2020年教育改革」です。

これは、文部科学省が推し進めている教育制度の大幅な改変で、主に小中高校生に対する学校教育の方針が大きく変わるものとなっています。

≪代表的な変化≫

①現行の大学入試センター試験は2020年1月開催で終了。替わりに大学入学共通テストが新設される。

・数学と国語において100字程度の論述問題が出題予定、英語はTOEFL・英検などの成績活用が可能に

②大学入試における学校推薦、AO入試での学力試験免除がなくなる

・小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績、あるいは共通テストのうち、少なくとも1つの活用が必須化

③小学校教育に「プログラミング教育」が導入される

今回の改革は、今までの「受動的に知識を詰め込む」という形態に偏っていた学校教育を「能動的に学ぶ(アクティブラーニング)」や「思考力・表現力・判断力を養っていく」といった形態に転換することを目指しているようです。

筆者は上記した変革の目的・理念自体に関しては高く評価しています。筆者のメイン領域は学校教育ではなく企業の社員教育ですが、「考える力・表現する力」を要求されるビジネスシーンは数え切れませんので、そういった能力の全体水準を上げられれば日本の生産性向上に大きく寄与するのではないかと思います。

ただ、それを実現する難易度はかなり高いとも感じます。教える側である教師や親が「自ら考えて表現する」という形式の教育を受けていないため、教える側の教育力をどうやって実用レベルに持って行くかが非常に大きな課題だと考えています。

いずれにせよ、小中高校生に対して提供すべき教育サービスの中身が大きく変わりますので、教育業界においては新しい教育方針に合致した新教育サービスの開発が急務です。

業界全体が一気に変化することを要求されている「ピンチとチャンスの同居状態」というのが現在の教育業界と言えるでしょう。

「底上げ教育」の存在感が高まっている

各種教育カリキュラムは、そのカリキュラムの対象者の観点から「選抜者教育」と「底上げ教育」の2つに分類できます。

まず、「選抜者教育」は、教育対象者が何らかの形式で選抜されるタイプの教育です。高偏差値の進学校や大学での教育、あるいは、企業の幹部社員向け研修などが当てはまります。

対して「底上げ教育」は、ある集団のほぼ全員、あるいは能力的に平均以下の層に対して行われる教育です。日本の義務教育はこちらに属します。企業における新入社員研修も、採用試験という選抜こそありますが、性格的には底上げ教育の色が強いかと思います。

この2種類のうち、後者の「底上げ教育」の存在感が最近高まっているのです。

その理由を以下に挙げます。

理由①
少子化によって、選抜者教育だけでは集団を維持する頭数が確保できなくなった

理由②
少子化によって、1人にかけられる教育投資額が増加した

理由③
選抜者教育に傾倒することがコンプライアンスや企業イメージ上、望ましくない時代になった

端的にまとめると、「若者が減ったことで、以前なら教育・育成を行ってこなかった層の若者も、なんとか授業についていける・企業人として稼げるレベルに育成しなければならない」という世の中になったということです。

この「底上げ教育」の一例としては、「リメディアル(remedial)教育」が挙げられます。

リメディアル教育は「大学に入ったけど、基礎学力不足で授業についていけない!」という学生を救済するために行われる補講・補修授業を指します(「治療教育」と訳されることもあります)。

入試形態の多様化や少子化による難易度低下によって、基礎学力が水準に満たない人が大学に入って"しまう"ケースは増加傾向にありますので、リメディアル教育によって、そういった層を救い上げる必要性は今後益々強まっていくと言えるでしょう。

また、「底上げ教育」においては、ITを活用した新興ベンチャー企業も活発な動きを見せています。これは「底上げ教育」とITの相性が良いからです。

「底上げ教育」は「選抜者教育」のように人を選抜しませんので教育対象は学力やスキルレベルにバラツキのある集団となります。そういった集団に対しては一般的な1対多の講義・授業形式より、1人1人の理解力に応じて手取り足取り指導する形式が適していますので、「IT&データ解析によって対象者の学力を推量し、PCを使って最適な教育コンテンツを提供する」という「疑似的な個別指導ができる点」が教育ITベンチャーの強みとなっているのです。
(2017年末に上場した「すららネット」がこういった新興教育ベンチャーの代表株ですね)

人口減少社会の日本において、中長期的な労働力不足が発生することはほぼ確実です。人的リソースを有効に活用するためにも「底上げ教育」の重要性はこれからも高まっていくと考えられます。

学校業務のアウトソーシング

続いて学校教育の環境面についてのトピックを1つ取り上げます。

いわゆる「ブラック職場」の議論で最近取り上げられるようになっているのが、学校の教員職です。一部の高偏差値進学校を除くと教員の仕事量は非常に多く、時間外労働や持ち帰りの仕事を多く抱え込んで、まともに休みもとれない状況になっています(実態についてはいくつもの記事があるので検索してみてください)。

教員の労働環境問題が大きくクローズアップされる時代になりましたので、政府・省庁や自治体側も対策に動き始めています。この流れに乗る形で、教員の業務負担を軽減させるための、学校業務のアウトソーシング(外部委託)が活発化するのではないかと筆者は考えています。

学校業務のアウトソーシングで近いうちに大きな動きがありそうなのは、部活顧問の外部指導員です。

「部活指導で休日が潰れる」というのは我々一般市民にも響きやすい(分かり易い)事態でニュース性も高いため、数年内にアウトソーシングが一気に進展するかもしれません。

まだ予算的には小さいと言えますが、文科省も2019年度予算で13億円を部活外部指導員の促進費として計上しています(2018年度は同項目に5億円でしたので2.6倍に増加しています)。習い事教室の運営をされているような事業者にとっては、千載一遇のビジネスチャンスとなる可能性がありますので、文科省や自治体の動きには要注意です。

その他にも、授業で使用する教材の製作や、事務作業のアウトソーシングなども検討が進んでいます。教育業界が持つノウハウや人材を活用し、学校側(あるいは文科省)が価値を感じるサービスを提供できれば、売上拡大に繋がっていくのではないかと思います。

求められる資質や能力は?

教育業界で必要とされる能力は「表現力」だと思います。

教育業界というのは知識・技能を人に教えることで対価を得ており、「決められた時間内に、どれだけ多くの知識や技能を伝えられるか、身につけさせることができるか」がサービスレベルの違いとなってあらわれます。

そのため、教師・講師として直接的に教える立場になるにせよ、教材やカリキュラムを作ったり売り込んだりする裏方になるにせよ、「分かりやすい資料を用意し、分かり易い説明をする」とか「『やってみよう』と勇気づける」ことを可能とする表現力が不可欠です。

表現力の差が、そのまま「サービス価値の差」、引いてはその人の「教育業界人としての価値の差」に直結するのではないでしょうか。

情報でも知識でも技能でも、人に何かを教えて「なるほど!」と言ってもらうことは人間にとって大きな喜びだと筆者は常々感じています。(それに魅了されて、講師・コンサルタント業をライフワークとしています)

人が成長していくことをサポートし、「できるようになった!」という喜びを共有したいと思う方は、教育業界への就職を検討してみてはいかがでしょうか。

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吉田 竜一

大手外資系企業のプロジェクトマネージャーを経て、人財育成コンサルタントに転身後、人材育成研修等のプラン設計・講師などを歴任。現在、アンタントコンサルティング株式会社代表。「企業と人財のミスマッチを防ぎ、現場力を高める」がモットー。

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