★デキルニンの就活業界分析★自動車・機械業界編

デキルニンオリジナルの【自動車・機械業界分析情報】です。業界を細分化して分類。さらに自動車・機械業界の「離職率」や「平均給与」情報も掲載。もちろん、業界動向が分かる「TOPICニュース」や「今後の業界展望」、「求められる資質や能力」にも言及!

人財育成コンサルタントの吉田竜一です。

業界分析とは、世の中にある業界の種類やその特徴を知り、自分が興味のある業界を見つけるために行う就活の大事な作業のひとつ。

「人気企業ランキング」などを見る前に!
業界地図などの本を読む前に!

まずは各業界の概要を知ることから始めましょう。

今回は、自動車・機械業界を取り上げます。

俗に「基幹産業」と呼ばれる、工業の中心業界です。

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自動車・機械業界を細分化してみる

自動車・機械業界を細分化します。今回は、右側に各業種の代表的な製品を並べました。

輸送用機器:自動車、バイク、トラック、特種用途車両(消防車、救急車、給水車、軍用車等)
建機・農機:建設機械(クレーン、ショベルカー、ブルドーザー等)、農業機械(トラクター等)
工作機械:旋盤、マシニングセンタ等
部品製造:①~③製品用の部品製造

①の個人消費者向け販売を除くと、概ねBtoBのビジネス形態と言えます。また、③と④の両面でビジネスを展開している企業も数多く存在します。

離職率と平均給与

続いて、「離職率」と「給与」について、統計を確認しましょう。

まず、離職率です。


(引用:厚生労働省「平成29年雇用動向調査結果」より)

この業界は言うまでもなく左から2番目の「製造業」に含まれます。グラフの数値としては離・入職が少なめの業界と言えます。

高度な専門知識や専門技術が要求される業界ですし、企業ごとに仕事の進め方が大きく違いますので、人の入れ替わりは少ない傾向にあると思います。ただし、営業職や事務職の方などは幅広い業界で応用可能なスキルを身につけられますので、グラフ数値よりは高めの離・入職率になっているように思います。

国境を跨いで生産・販売を手掛ける企業が多いですので、「自動車業界の財務経理職で国際的な会計管理を経験し、財務コンサルタントに転向」なんて方もいます。

続いて、給与についてのデータをご紹介しましょう。


(参考:国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査」より)
※元資料142ページの数値データをもとにグラフを作成、代表的な業種をピックアップ

赤線太線の「製造業」が今回の対象業界です。実際の給与水準もグラフ通りだとイメージしていただいて良いかと思います。

この業界は「何が売れたか」は数字として明確に出る業界ですが、集団でモノ作りをする以上、個人成績との関連付けが難しい業界です。

「自動車営業職で販売額が地域トップ」といった営業職の営業成績を除くと個人単位で評価の差をつけづらいため、20~30代で報酬が急上昇というケースは希少と言えるかもしれません。

AI化の波

自動車・機械業界を賑わせているキーワードと言うと、やはり「AI化」が筆頭に来るかと思います。

自動車における自動運転などが最も分かりやすい例でしょうか。工作機械においては、機械の異常検知や製品不良の検出といった面から開発が進行しています。

AI化は大きなビジネスチャンスであるのは間違いないですが、自動車・機械業界が突破しなければならないハードルがいくつか存在するのも事実です。

ここでは2つ具体例をご紹介します。

まず、1つ目のハードルは「AIをプログラムする」です。

AI化において、AIが事象を知覚するためのセンサーや、人間が担当していた作業を代わりに担当するロボットを作るのはこの業界の得意分野ですが、肝心の「AIを作る」という点は情報通信業界(の中でも特に優れた一部の企業)の分野です。

そのため、自社単独で斬新なAI製品を作るというのが困難なのです。技術レベルが高く、ビジョンを共有できるシステム企業(あるいは大学研究室)などと協力体制を築き、自分たちのAI化ビジョンを実現できる環境作りを進める必要があると言えるでしょう。

2つ目のハードルは「法律・社会制度面の課題」です。

例えば、テレビのニュースやネット上のコラムなどで数多く取り上げられている通り、現在の法律では公道を完全自立式の自動運転車が走ることは基本的に禁止されています(詳しく知りたい方は「ウィーン交通条約」「ジュネーブ道路交通条約」等を調べてみてください)。

また、「自動運転車のAIが誤判断をして事故を起こした場合、責任は誰がとるのか?」といった点も現状では解決の道筋が見えていません。AI化製品がシェアを拡大していくためには法律面の整備が不可欠ですので、政府や国交省の動きには注目する必要があるでしょう。

逆転的な発想をすると、「法律整備の後押しになれるような機能」を開発できれば、一気にこの分野で先頭に躍り出ることができるかもしれません。

部品製造業の恐怖~自動車のEV化~

現在、自動車業界では次世代自動車の開発が進んでいます。

その中の主力の1つである電気自動車(EV:Electric Vehicle)はガソリン車より圧倒的に少ない部品数で製造が可能だと言われています。

まず、簡単にですがその理由を説明しましょう。

EVは電池&モーターによって動力を確保しますのでガソリンエンジン及び排気関連の部品がゴッソリ不要になります。さらに、バックギアも不要です(電流を逆方向に流せばモーターは逆回転するため)ので、ギアボックスも簡素化が可能です。

このような要因による部品数の減少は部品製造業界にとって大きな脅威です。部品製造業界にとって自動車業界は特大顧客であり自動車関連部品の出荷数が業界利益に直結するからです。

EV化により電機系の部品製造を得意とする企業には逆に優位性が生まれる(日本電産などはモーター製造を加速させています)とも考えられる一方で、それ以外の多くのエンジン動力関連の部品メーカーは厳しい環境に置かれることが予想されますから、今後は「利益を出せる新商品や新事業」の創出が求められる状況になると言えるでしょう。

メンテナンスサービスの重要性

自動車・機械業界において「製品本体の性能や魅力を高める」ことは非常に重要ですが、これからは「機械を使うシーンを想定してサービス面を充実させる」という視点を併せ持つことが求められると思います。

この点において、ご紹介しておきたいのが建機や商用車(トラックやバス)、工作機械業界における「メンテナンスサービスの重要性」です。

一般消費者が国内で普通自動車を買う場合、「〇〇社はメンテナンスサービスが優れているから買おう!」という人は少数派です。私生活において自動車が壊れたところで生活への悪影響は限定的ですし、修理中に代車を借りることも容易ですので、メンテナンスサービスの品質は商品選択において軽視されます。(もっとも、日本国内におけるメンテナンスサービスはどこのメーカーも高品質で差がつかないとも言えます)

しかし、建機や商用車、あるいは工作機械だとメンテナンスサービスの優先度は格段に上がります。

例えば、ビルの建設現場で大型クレーンが1台壊れたらどうでしょうか。当然、修理までの時間がそのまま納期遅延のリスクになります。中小規模の小売企業が保有する特殊トラック(生鮮品輸送用等)が1台壊れた場合などは、まともに商売ができなくなるかもしれません。

このように、建機や商用車や工作機械というのは、たった1台の1回の故障が企業の経営存続を左右しかねないのです。そのため、「故障時にいかに素早く修理(あるいは代替機を用意)できるか」という点はかなり優先度の高い評価基準となるのです。

いくら良い製品を作っても、それを継続的に使ってもらう環境が整わなければビジネスは行き詰まってしまうでしょう。メンテナンスサービスを含め、「顧客が安心して商品を使用できる環境を整備する」という点に対するアプローチがこれまでよりもさらに求められる時代になるのではないでしょうか。

求められる資質や能力は?

自動車・機械業界において必要とされる能力は「想像力」です。

特に「顧客が自社製品を使っているシーンを想像する力」が要求されると思います。

散々言い古された内容かもしれませんが、日本の製造業は「技術力は高いけれど、需要の無い製品を作ってしまう」という問題点を抱えています。これは結局のところ「利用シーン」や「製品を使う場面のストーリー」を企業側が十分に想像できていないからだと筆者は考えています。

新製品を作るにしてもサービス面の拡充を目指すにしても、顧客が実際に製品を使用していて「便利だなぁ」「お得だなぁ」と感じられることは欠かせません。どんな製品やサービスを作れば、より顧客の生活やビジネスの質を高められるのか「リアルに想像する」ことが求められるでしょう。

自動車・機械業界は一国の工業力の根幹をなす業界です。それゆえ、国際的な競争も非常に激しいですしビジネスの規模も超巨大です。スピーディーかつドラスティックに変化していく業界で「想像力を活かし、最先端のモノ作り」がしたいという方はこの業界の志望を検討してみてはいかがでしょうか。

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吉田 竜一

大手外資系企業のプロジェクトマネージャーを経て、人財育成コンサルタントに転身後、人材育成研修等のプラン設計・講師などを歴任。現在、アンタントコンサルティング株式会社代表。「企業と人財のミスマッチを防ぎ、現場力を高める」がモットー。

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