★デキルニンの就活業界分析★電機・精密機器業界編

デキルニンオリジナルの【電機・精密機器業界分析情報】です。業界を細分化して分類。さらに電機・精密機器業界の「離職率」や「平均給与」情報も掲載。もちろん、業界動向が分かる「TOPICニュース」や「今後の業界展望」、「求められる資質や能力」にも言及!

人財育成コンサルタントの吉田竜一です。

業界分析とは、世の中にある業界の種類やその特徴を知り、自分が興味のある業界を見つけるために行う就活の大事な作業のひとつ。

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業界地図などの本を読む前に!

まずは各業界の概要を知ることから始めましょう。

今回は、電機・精密機器業界を取り上げます。

いわゆる日本人の大好きな「エレクトロニクス関連産業」と言えばよいでしょうか。日本のモノづくりの最先端を走る各社が集まる業界ですので、後学のためにもご一読ください。

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電機・精密機器業界って何?

今回取り上げる業界は電機・精密機器業界です。

電機製品、およびその部品を製造しているメーカーが対象範囲です。ただ、多角化に注力している企業も多く、一口に電機・精密機器業界と言っても各社の事業範囲はバラバラになってきています。1社1社の経営戦略の違いが際立ちやすい業界ですね。

電機・精密機器業種を細分化してみる

電機・精密機器業界を分類すると、以下の通りとなります。結局のところ最終的な製品として何を作っているかによって分類されますので、今回は右側に代表的な製品を並べました。

家電メーカー:テレビ、AV機器、冷蔵庫、洗濯機、エアコン
電子部品メーカー:モーター、半導体、コンデンサー、バッテリー
精密機器メーカー:カメラ、時計、プリンター、スキャナー、医療機器、測定機器
重電メーカー:発電設備、変圧器、絶縁装置

②と④は主にBtoBで、①と③はBtoBもBtoCも両方手掛けている企業が多いです。

離職率と平均給与

続いて、「離職率」と「給与」について、統計を確認しましょう。

まず、離職率です。


(引用:厚生労働省「平成29年雇用動向調査結果」より)

電機・精密機器業界は、左から2つ目の「製造業」に含まれます。

入職率・離職率ともに他業種と比べると低い業界です。また、製造業は90年代前半が就労者数の最も多い時期であり、長期的に見ると就労者数が減少傾向にある業界です。減少要因は工場の海外移転およびロボット化の進行と考えられます。ただし、ここ最近は好景気・円安・新興国政情不安の影響から工場の国内回帰の動きなどがありますので、グラフにおいても入職率の方が離職率を上回る結果となっています。

続いて、給与についてのデータをご紹介しましょう。


(参考:国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査」より)
※元資料142ページの数値データをもとにグラフを作成、代表的な業種をピックアップ

茶色太線が電機・精密機器業界を含む「製造業」の平均給与を表しています。給与水準としては平均よりやや高めな業界です。

電機・精密機器業界は業界の特色として「生産設備の自動化」に熱心な業界です(自社の生産力UPに加えて技術力アピールになるため)。そのため、製造現場で働く労働者が減少し、上級職の比率が増えてくると考えられますので、長期的には平均給与の数値は上向いていくのではないでしょうか。

多角化か?集約化か?

電機・精密機器業界では日々新しい製品が生み出され、途上国に生まれた新たなプレイヤー(企業)もどんどん世界市場に出てくる新陳代謝の激しい業界です。そのため、「何事業に注力するか」という判断を短いスパンで下していかねばなりません。

そういった判断を積み重ねた結果、事業内容は個々に色合いがガラッと違う状態になっています。従来の主業と別の分野に手を付ける多角化や、逆に不採算部門を切り捨てて採算部門に集中するという集約化が進んでいるのです。

多角化の筆頭としては、ソニーの金融部門が挙げられます。
本業とはかなり縁遠いジャンルでソニー生命から始めて、ソニー損保、ソニー銀行と広げていき、いまやグループ収益の柱とも言える利益を生んでいます。

精密機器の方では、富士フィルムが代表的です。
グラフィックシステム・ヘルスケア・精密部品を扱う「ヘルスケア・マテリアルズ部門」が伸びており、2017年度決算では営業利益の半分以上がこの部門です。

逆に集約化の例としてはパナソニックが挙げられます。
家電部門への投資を減らし、BtoB領域(とくに車載機器・部品関連)に投資して「選択と集中」を行っています。

最近は国内家電メーカーのライバルが少なくなったこともあってか、生き残った家電部門の採算も改善しているようで好調です。

このように、企業が生き残りをかけてドラスティックな投資と撤退を繰り返すのが電機・精密機器業界です。「製造業」のイメージと言えば堅実着実といった雰囲気がありますが、こういう一面を見ると予想外にエキサイティングな業界なのかもしれません。

「為替」からは逃げられぬ業界

今やエレクトロニクス産業は世界的なサプライチェーンが組まれておりますので、国境をまたぐ取引からは逃れられない時代になっています。そのため、「為替」によって業界の利益が左右される状態になっていることは理解せねばなりません。

家電大手企業が最も分かりやすいのですが、円ドルレートがもっとも円高であった2011,2012年頃(1ドル80円程度でした)が営業利益の「底」となった時期でした。数千億円単位の赤字を計上するメーカーもあり、「日の丸家電メーカーが全部潰れるんじゃないか」というような声もありました。

その後、2012年年末の総選挙で自民党が政権に戻り、アベノミクスの中で金融緩和政策がとられたことにより、円相場が円安に振れました。円安が進むにつれて各メーカーの経営状態は改善し、2018年現在はかなり安定感を取り戻したような印象があります。

「コモディティ化」について

若干旬の過ぎた言葉かもしれませんが、電機・精密機器業界を選択するのであれば避けて通れない言葉である「コモディティ化」についても触れておきます。

コモディティ化とは「商品の差別化が不十分になり、価格以外に差が無くなること」を指します。

この言葉の典型例が液晶テレビです。2011年にテレビ放送がアナログからデジタル方式に変わるのを機にテレビの液晶化が進みました。大手各社が積極投資をして製品開発を行い、激しい販売競争が起こりました。しかし、製品価値で圧倒的な差をつけるような商品は登場せず、液晶テレビのマーケットが「価格しか差がない状態」、つまり、「コモディティ化」してしまい、果て無き値下げ競争となりました。

「液晶テレビは3年で価格が半分に落ちる」と言われるほど価格下落が凄まじかったのです。

精密機器の業界においても、家庭用プリンター/スキャナーなどはコモディティ化が顕著です。デジカメもスマホ付属カメラに利益を奪われているため、あてはまるかもしれません。

逆にコモディティ化から遠いのは、「他の企業がマネできない商品」であったり、「マーケットが小さく、算入しても売上が見込めない分野」です。現状では医療機器や産業用の計測器が代表例でしょうか。

こういったコモディティ化から遠い分野は安定的な収入が望めるでしょう。

電機・精密機器業界の展望・・・

電機・精密機器に限らない話ですが、モノが売れるためには「付加価値」が必要です。技術力の追求だけに明け暮れるのではなく、付加価値の追求に主眼を置かねばなりません

付加価値には「価格」「技術的付加価値」「非技術的付加価値」の3種類があります。

「価格」は、言葉通り同じ商品なら安い方が良いということです。

「技術的付加価値」は、単純に言えば、他社が技術的にマネできない製品を作ることによる付加価値です。

「非技術的付加価値」は、電機・精密機器業界からはちょっと想像がつきにくい付加価値で、いわゆる「カッコよさ」や「ブランドイメージ」による価値のことです。

「アパレル業界」などは非技術的付加価値の宝庫です。数十万円のブランドバッグなどが典型例で、ブランドイメージやカッコよさに消費者は価値を認めて購入しています。機能面だけを冷めた目で比べれば、ブランドバッグより多容量・頑丈・便利かつ安い製品はいくらでもあります。それでも有名ブランドが存在できているのはそのブランドに非技術的付加価値があるからです。

散々言われていることではありますが、今まで日本の電機・精密機器メーカーは技術的付加価値に傾倒しすぎた感があります。最先端技術を使って高価格な商品を作っても、それがよっぽど目新しくて便利な機能でもない限り、消費者にとっては「価格」の方が大事です。「〇万円かけてこの機能を買いたいと思うか?」という問題意識を常に持たねば、存続が危うくなるでしょう。

求められる資質や能力は?

「顧客意識」とそれを「社内に浸透させる力」を持つことが必要とされるでしょう。

技術力が付加価値に繋がらないケースで起きているのは、だいたいが「商品開発において顧客の利用シーンを考えていない」という事象です。

「物凄い加工技術を使いました!」
「人の目で判別できる限界を超えて美しくしました!」
「特に法律で制限されているワケではない化学物質までナノグラム単位で検出します!」
という商品を作って売り出しても、顧客(消費者)からすると「へぇ、すごいですね。で、私の生活や仕事がどう変わるの?」という話にしかなりません。

自社商品が顧客にどんな価値を与えるのか、顧客の生活やビジネスをどう変えるのかをリアルにイメージすることは最低限必要なことであり、かつ、最も重要なことです。

また、こういった視点の重要さは2011年頃からずっと言われていますが、人間はそう簡単にマインドを変えられるものではありません。規模が大きい組織に長年所属している人間がある日いきなりマインドを変えようとしても難しいのです。

ですから、若い人には、頑固なおじ様おば様社員をうまく説得して顧客意識を持ってもらう、つまり「(新しい考え方を)社内に浸透させる力」が求められます

「年上キラー(表現が古い!)」と友人から言われたことがあり、技術立国日本の最先端に立ちたいという意欲のある方は電機・精密機器業界も検討してみてはいかがでしょうか。

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吉田 竜一

大手外資系企業のプロジェクトマネージャーを経て、人財育成コンサルタントに転身後、人材育成研修等のプラン設計・講師などを歴任。現在、アンタントコンサルティング株式会社代表。「企業と人財のミスマッチを防ぎ、現場力を高める」がモットー。

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