★デキルニンの就活業界分析★メディア業界編

デキルニンオリジナルの【メディア業界分析情報】です。業界を細分化して分類。さらにメディア業界の「離職率」や「平均給与」情報も掲載。もちろん、業界動向が分かる「TOPICニュース」や「今後の業界展望」、「求められる資質や能力」にも言及!

人財育成コンサルタントの吉田竜一です。

業界分析とは、世の中にある業界の種類やその特徴を知り、自分が興味のある業界を見つけるために行う就活の大事な作業のひとつ。

「人気企業ランキング」などを見る前に!
業界地図などの本を読む前に!

まずは各業界の概要を知ることから始めましょう。

今回は、メディア業界を取り上げます。

非常に人気が高い業界で、就活においては最難関グループに属している企業も存在します。ただ、変化を迫られている業界ですので、「高収入!高ステータス!」と、淡い憧れだけで入ろうとすると痛い目をみるかもしれません(という内容のお話です)。

デキルニンの就職塾 – 専門家が教える個別指導の就職塾

メディア業界って何?

メディア業界は前回のIT・情報通信業界との線引きが微妙な業界ですが、本シリーズにおいては「メディア業界=広告を含むコンテンツを制作・放送・販売する業界」という区分けとします。

インターネット以前から存在する「マスメディア」を構成する業界と言った方が分かり易いかもしれません。

メディア業種を細分化してみる

メディア業種を分類すると、以下の通りとなります。

放送事業者:テレビ局、ラジオ局、ケーブルテレビ局、ネット放送テレビ局
出版・新聞:出版社、新聞社、印刷会社、出版取次会社
広告:広告会社
制作:テレビ番組制作会社、映画・アニメ制作会社、レコード会社

離職率と平均給与

続いて、「離職率」と「給与」について、統計を確認しましょう。

まず、離職率です。


(引用:厚生労働省「平成29年雇用動向調査結果」より)

メディア業界は、左から3つ目の「情報通信業」に含まれています。

テレビ局や出版社に絞った離職率等があればよかったのですが、信頼性のある統計は残念ながら発見できませんでした。そのため筆者の感覚論の域は出ないのですが、上記グラフの数字より実際の離職率は高いように感じます

メディア業界は非常にハードな業界で残業も多く、時間に追われて精神的にもキツイため、辞める人は多いようです。また、「面白いコンテンツを作りたい!」と思って業界に入ってから「しがらみばっかりで作りたい作品が作れない!」とか「裏方の仕事ばっかりじゃないか!」と現実を知って離脱するパターンも存在します。

続いて、給与についてのデータをご紹介しましょう。


(参考:国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査」より)
※元資料142ページの数値データをもとにグラフを作成、代表的な業種をピックアップ

こちらも、業界区分としては「情報通信業(水色太線)」に含まれます。

平均値ですと概ねグラフ通りかと思いますが、皆さん御存知の通り、メディア業界の給与はピンキリです。広告大手やテレビ在京キー局ですと、30代で年収1000万超がスタンダードです。逆に制作会社や小規模出版社となると上記グラフよりも低年収となるパターンが多いです。

単純な話ですが、メディア企業の競争力を決めるのは「どれだけ多数の消費者にコンテンツを届けられるか」という点です。それゆえ、多数の消費者が視聴する媒体を持っている企業ほど、売上も給与も高くなります。

誰もが発信できる時代に

皆さんは動画・音楽・小説などを自主制作し、Webサイトに投稿したことはありますか?

今や「コンテンツ」は何でもかんでもインターネットを通じて公開できる時代です。プロ顔負けの作曲であろうが、10年後に見て恥ずかしくなるような素人演劇であろうが、Webサイトに投稿することで全世界に向けて発信することが可能になっています。

これは筆者の中高生時代には考えも及ばなかった時代の変化です。例えば、筆者は高校時代に同級生とバンド活動を一時期やっておりましたが、演奏やライブの動画を公開したくても手段がありませんでした(ちなみにボーカルをしていました。楽器演奏はできません…)。

また、今みなさんにお読みいただいているような文章コンテンツはさらに入口が狭く、有名大学の教授といった役職持ちか、出版社に知り合いでもいない限りは発信不可能だったと言っても過言ではないでしょう。

このように、昔は人や企業が「私の、我が社の〇〇を皆に知ってほしい!」と希望する場合、メディア業界の力を借りるしか解決策は無かったのです。ですから「知ってもらいたい!」という欲求に応えるマーケットを独占できていたのです。

しかし、この独占がインターネットの発展によって崩されてしまいました。

現在は旧来のメディアとインターネットに適合した新規参入メディアが消費者の余暇時間を奪い合う激戦時代に突入しています。既存メディアは「創業以来こうやってきた」「こんなコンテンツで儲けてきた」というビジネススタイルを見直す必要性に迫られているのです。

世代間で利用メディアに大きな差異が発生!?

メディア業界で起きている変化の1つが「世代による利用メディアの違いの発生」です。

具体的には若者が既存メディアから離れてインターネットを重視し、高齢者がテレビ等の既存メディアを重視する傾向のことです。
(※参考:総務省「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」)

この傾向に既存メディアは頭を抱えています。

「実際の利用者層に合わせて番組や記事を作ればよいのでは」と思われるかもしれませんが、そう簡単には行かないのです。

理由は広告にあります。

広告主企業は「自社商品を数多く売りたい」と考えますので、必然的に主要ターゲットとしたいのは「購買力のある若い世代」になります。つまり、広告主からより多くの広告費を引き出すためには若い世代の利用者を確保しなければならないのです。

このように、既存メディアは「経営上ターゲットにしたい利用者層」と「実際の利用者層」が乖離するというジレンマを抱えているのです。

コンテンツのジャンル多様化

もう1点大きな変化として、コンテンツのジャンルの多様化があります。

誰もが発信できる時代になったのに加え、検索エンジンが高性能化した結果、マイナーコンテンツにも光が当たるようになりました。

「eスポーツ」が分かりやすい例です。ゲームのプレイ動画を検索することが可能となったので、上手なプレイヤーのスーパープレイを誰でも見れるようになりました。「映像を見て楽しむ」という人が増えてくれば、必然としてビジネスチャンスが生まれます。他のプロスポーツビジネスと同様で、「多くの人が見る競技は広告塔になる」ということです。

結果として、今やゲーム大会は「冠スポンサーがついて、大人のゲーマーが真剣に勝負する場(ネット生放送有)」となっています。

また、この流れの中で機器メーカーや飲料メーカーのスポンサードを受けてプロ化した「プロゲーマー」が誕生しています。スポンサー契約が成り立つためには「人目につくこと」が不可欠ですから、企業目線で「ある程度広告効果が見込めるだろう」と推測できるレベルに、eスポーツのファン層は広まっているということです。

こういったケースのように、マイナーコンテンツがインターネットを利用してファン層を拡大し、1つの趣味のジャンルとして市民権を得るようになっています。

メディア業界の展望・・・

上記のような変化が起きていますので、メディア業界全般において「時代の変化に適応したサービスに変えていく」ということが求められます

最も緊急的な変化を求められているのは新聞業界です。

新聞という媒体は「速報性のあるニュースコンテンツを文字で発信」という点が特徴なのですが、速報性についてはインターネットが最も得意とする分野です。24時間Webサイトにアップ可能なニュースサイトに対し、朝夕2回の発行しか無い新聞は分が悪いです。

さらに、コスト面でも不利です。「取材費+編集費」という点は変わりませんが、「紙代+印刷費+流通費」が発生する新聞に対し、ニュースサイトは「Webサイトの運用費」だけで済みます。新聞はビジネスモデルにおいて圧倒的不利になっているのです。

こんな状況ですので、アメリカの有名新聞社であるニューヨークタイムズは紙版を廃止して完全電子化を検討しています。既存の人材や取材ネットワークを活かしつつ、有料ニュースサイトに脱皮しようということです。現時点で成否は判断できませんが、長い歴史による信頼性がありますので、新規参入のネットメディアより多くの顧客を獲得できるかもしれません。

また、出版業界も売上微減が続く中で試行錯誤しています

電子書籍化は言うまでもないので、他の例をあげます。最近、インターネット上でアクセス数を稼いでいるコンテンツ(主に小説)を書籍化するという方式が高い利益を上げています。「ヒットするか分からない新人作家の作品」より「ネットで一定の評価を得ている作品」の方が成功率は高く、安定した売上が見込めるのです。こちらも「出版するのは未発表の作品」という業界の固定観念を打破したからこそ実現できた新方式です。

こういった展望を見ると、「既存メディアは雲行きが怪しいのかな?」と思われるかもしれません。確かに、既存メディアの「今までの成功体験」や「しがらみ」が変化の邪魔をすることはあるでしょう。

しかし、既存メディアは「高い知名度」「広告主との連絡チャネル」「取材ネットワーク」「人的・設備的資源」「タレント事務所とのパイプ」など、新規参入側からすれば脅威となる優位性も数多く持っています。「新規参入メディアの作った土俵に乗っかり、強みを活かして主導権を乗っ取る」という大胆不敵なスタイルは既存メディアにしかできない芸当です。

求められる資質や能力は?

メディア業界に必要とされる能力は「採算必達力」だと思います。

これから先のメディア業界は競争激化によって、「今までのやり方を踏襲しても客は減る一方で赤字が増えるだけ・・・」という時代になります。ビジネススタイルを変えつつ、1つ1つの案件でより費用対効果を明確にして、「冷徹なまでに採算をとる」ということが必要となってくると思います。

また、IT技術の進歩についても継続的チェックが必要です。中でも「ビッグデータ」の発展には要注意です。ビッグデータは多数の人間の行動分析をすることに向いていますので、「広告が売上に繋がったか否か」という点は精密に分析されるようになるでしょう。それにより、広告主の判断もシビアになると予想されます。

しかし、裏を返せば「説得力のある商談をするためにビッグデータを活用する」ということも可能です。新たなIT技術に「ただ恐怖する」のではなく、利益拡大のツールとして「活用する」というマインドが求められます。

現代は「メディアに入ったら人生勝ち組!」なんていう甘い時代ではなくなっています。逆に「競争激化ドンと来い!新しいメディアの採算スタイルを俺が(私が)確立してやる!」という勝負根性のある人には非常に向いている業界だと思います。

★他業界の分析情報はコチラへ

これから就活を迎える大学生へ

現在、デキルニンでは【デキルニンの就職塾】という就活支援サービスをご提供しています。

一人の就活生に対して一人の就活トレーナーがマンツーマン指導を行い、『提出先企業に最適なESが書けない』『なかなかESが通らない』『面接で落とされてしまう』などの課題を解決します。

また、近時早期化する就活現場の動きに合わせて、『早期に動き出してライバルに差をつけたい』『志望企業のインターン選考を突破したい』『短時間で集中的に就活対策がしたい』という大学1~2年生にも最適です。

【デキルニンの就職塾】で就活トレーナーとして指導するのは、キャリア形成サポートのプロである“キャリアコンサルタント(国家資格保有者)”です。

キャリアのプロだからこそできる専門的かつ効果的な指導で、お子さんの内定をグッと引き寄せます!

デキルニンの就職塾 – 専門家が教える個別指導の就職塾

The following two tabs change content below.

吉田 竜一

大手外資系企業のプロジェクトマネージャーを経て、人財育成コンサルタントに転身後、人材育成研修等のプラン設計・講師などを歴任。現在、アンタントコンサルティング株式会社代表。「企業と人財のミスマッチを防ぎ、現場力を高める」がモットー。

アンタントコンサルティング株式会社HP

人材育成コンサルタント・吉田竜一の就活プロファイル