★デキルニンの就活業界分析★建設・不動産業界編

デキルニンオリジナルの【建設・不動産業界分析情報】です。業界を細分化して分類。さらに建設・不動産業界の「離職率」や「平均給与」情報も掲載。もちろん、業界動向が分かる「TOPICニュース」や「今後の業界展望」、「求められる資質や能力」にも言及!

人財育成コンサルタントの吉田竜一です。

業界分析とは、世の中にある業界の種類やその特徴を知り、自分が興味のある業界を見つけるために行う就活の大事な作業のひとつ。

「人気企業ランキング」などを見る前に!
業界地図などの本を読む前に!

まずは各業界の概要を知ることから始めましょう。

今回は、建設・不動産業界を取り上げます。

人口減少の影響をモロに受ける厳しい業界ではありますが、人間が生活をする上で、住居や道路、オフィスといった存在が必須であることに変わりはありません。

「形として残るモノづくりや営業がしたい!」という方にはおススメの業界です。

デキルニンの就職塾 – 専門家が教える個別指導の就職塾

建設・不動産業界って何?

この業界は、皆さんの生活と密接にかかわっていることから、業務内容自体はイメージしやすい業界だと思います。

「建設」と「不動産」をざっくりと切り分けると、マンションや商業ビルといった人間が日々を過ごす建物から、道路やダムなどのインフラまで、様々な建造物を造るのが建設業です。そして、造ったものを貸したり売ったり、あるいは土地の売買仲介を行ったりするのが不動産業です。

※ただし、建設・不動産業界をまとめて「不動産業界」と呼ぶ場合もありますのでご注意ください。また、「ウチは建設も販売もしているよ」というような企業も多いですので、あくまでざっくりとした分類です。

建設・不動産業種を細分化してみる

建設・不動産業界を分類すると大まかに4つに分類できます。

建設:ゼネコン、ハウスメーカー、内装業、リフォーム施工、道路敷設、電気工事、土木工事、設計事務所
販売:住宅販売、マンション販売、デベロッパー(土地取得から開発・運用まで大規模案件を担う企業)
仲介:不動産売買仲介、賃貸仲介
管理:賃貸マンション管理、ビル管理、建造物の設備メンテナンス

建設・不動産業種の離職率と平均給与

続いて、「離職率」と「給与」について、統計を確認しましょう。

まず、離職率です。


(引用:厚生労働省「平成29年雇用動向調査結果」より)

「建設業」は一番左、不動産業は中央の「不動産業・物品賃貸業」です。

意外と思われるかもしれませんが、建設業は入職率・離職率ともに低い業界です。複合サービス業(郵便局や農協)と同程度ということで、人の出入りはかなり少ないと言えるでしょう。3年以内離職率に関しては平均的な業界ですので、専門知識や技術が蓄積されるのに従って待遇が上がったり、やりがいを見つけたりできる業界なのかもしれません。

一方、不動産業はどうでしょうか。
建設業に比べると一般的なビジネススキル(営業・事務作業スキル)が必要とされる業界ですので、他業種から不動産業へ入職することも不動産業から他業種に転職することも比較的容易と言えます。そのため、転職による人の動きが一定数存在すると考えられます。

続いて、給与についてのデータをご紹介しましょう。


(参考:国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査」より)
※元資料142ページの数値データをもとにグラフを作成、代表的な業種をピックアップ

水色太線が建設業、オレンジ色太線が不動産業・物品賃貸業の平均給与です。

合計とあわせて3本の太線が同じ位置に固まっているのが分かります。合計(全就業者平均)より少々高いといったところで、給与水準としては平均的な業界と言えるでしょう。

ただ、こちらのデータは全就業者の中の「源泉徴収を受ける給与収入者」から抽出した集団をサンプルとしていますので、建設業のように高卒・中卒労働者を現場に多く抱えるような業種は平均収入が低めに出る傾向があります。

建設業・不動産業ともに単価の高い商品を扱っておりますので、実績ベースで報酬が決まるような企業ですと、30代前半で年収1000万超なんてケースもあり、収入の上下格差が激しい業界です(個人的印象論ですが…)。

建設・不動産業は意外と好調?

「ゼネコン 最高益」のワードで検索すると、最近の記事(2017~18年)が出てくると思います。そういった記事にある通り、ここ最近は好調が続いている業界です。

この要因は主に以下の3つです。

①「都市圏の再開発」
②「震災復興・災害対策」
③「オリンピック」

都市圏の再開発は華やかな商業施設と高層オフィスビルを新設するような案件です。東京では虎ノ門エリア、大阪では梅田周辺の再開発などが現在進行形ですね。

また、震災復興や災害対策、そしてオリンピックに向けたインフラやスタジアムの建設といった事業は、何千億単位の金額が動きますので、大きな利益につながります。ただ、あくまで「降って湧いた特需」であって、業界が主体的に作り出せる売上でないのが悩ましいところです。

実際、近年の好調がどこまで続くかという不安もよく耳にします。「オリンピック後が不安」という話です。また、ゼネコンや大規模商業施設を企画するデベロッパーは儲かっていますが、一戸建て施工を生業とするハウスメーカーや、地方の不動産業は「苦戦している」という方が正確かもしれません。

建設・不動産業は不人気なのか?

残念なことに、建設・不動産業界は就活においては、やや人気が少ない業界であることは確かです。
建設・不動産業界の就労者数は約500万人程度と言われており、これは全就労者の7~8%程度にもなる規模の大きな業界です。しかし、実際の就活生で建設・不動産業界をメインターゲットとしている人は全体の7~8%には満たないと思います。

特に、最も数の多い私大文系学生で、建設・不動産業界を第一志望にしている方はほとんど見かけません。

この原因は「業界イメージ」にあると思います。

実際、業界内で働かれている方には失礼な表現かもしれませんが、建設・不動産業界はどうしても『3K(きつい・汚い・危険)』の代表的業界というイメージがあります。また、談合や強度偽装などの負の印象を与えるニュースも多く、学生が消去法的に業界選びをすると、「なんかキツそうだし、体育会系っぽいし…」と、及び腰になってしまうのでしょう。

人口減少による売り上げの先細り

次に業界の展望についてですが、先行きを不安視するような声が多いですね。

「建設業界のリストラ」「受注件数の減少」なんてニュースやコラムは探せばいくらでも出てくるのですが、その原因は「少子高齢化・人口減少」にあります。

確かに、どの業界(福祉・介護業界を除く)においても、少子高齢化・人口減少によって売上の減少は予想されます。「売上=単価×売上個数」とすると、消費者の頭数が減るのですから、売上個数が減って売上が減少してしまうのはほとんどの業界で共通の事象です。

しかし、建設・不動産業界においては、単価の下落という問題も高確率で同時発生するため、ダブルパンチを食らってしまうことが予想されるのです。それは、人口減によって土地の需要が減ることによって、土地価格の下落が予想されるからです。

さらに、緑地法による生産緑地指定の解除が始まる2022年問題(初耳の方は検索してみてください)や、所有者不明となっている土地の有効利用に関する法制化の動きなどもあり、供給される土地自体は増える傾向にすらあります。使う人間が減って、出回る土地が増えるのですから、基本的に価格は下がるものと考えられるのです。

ここまでマイナスの印象ばかり書いてきましたが、「お先真っ暗だよ!」と言いたいワケではありません!!

人間社会が存続するかぎり生活を営む『場所』自体は必要なので、その場所を作る業界である建設・不動産業界は底堅い売上が期待できる業界です。ただ、業界全体が大幅に上振れして儲かるという時代も想像することは難しいです。80年代バブル期のように、猫も杓子もマイホームを建て、土地を買い、マンションに投資するなんていう状況が再来することは期待薄でしょう。

今後の有望な案件は?

海外展開も間違いなく必要となる業界ですが、今回は国内での最近の動向、今後の展開に絞ってお伝えします。

都市圏においては、「次々と新しいサービスが生み出され、そのサービスに適合した建物が必要になる」というビジネスチャンスがありますので、(とくに商業施設については)引き続き大きな売上が見込めます。最近の典型的な例としては、郊外型の巨大アウトレットモールですとか、インターネット通販を支える物流施設、外国人旅行者の増加による宿泊施設などが挙げられます。

また、リノベーションが一般的になってきているのもあり、賃貸物件を中心にリノベ案件も増えているようです。地方に比べれば若い人が多いため、新しいライフスタイルに合致した住居を提供することで、売り上げの向上が見込めます。
 
地方ではコンパクトシティ化の動きに乗れるかどうかが成功のカギだと思います。コンパクトシティ化というのは地方の都市計画の一種で、中心市街地を再整備して住民を中心に集め、中心市街地の人口密度を高めるという方策になります。

自治体がサービスを提供するにしても、企業が商売をするにしても、対象となる住民は密集してくれた方がありがたいです。なぜなら、広いエリアに住民が点在するような状態になると、支店や中継基地が必要になりますし、移動時間や交通費もかかるためです。こういった理屈から、住民を集めて経済活動が活発になる程度に人口密度を高めようというのがコンパクトシティ化です。

色々と批判はある方策ですが、多かれ少なかれこういった動きが地方では出てくると思いますので、自治体を巻き込んで、「持続可能な市街地の再整備」を進めていくというビジネスチャンスはあるのではないでしょうか。

求められる資質や能力は?

建設・不動産業界で必要とされる能力は「想像力」ではないかと思います。

「とりあえず駅前に10階建てくらいの雑居ビルを建てて、あとは野となれ山となれ」というような、バブル期の残念な建設イメージしか持てないのであれば、顧客に魅力を感じてもらうことはできないと思います。

人口が減り、都市圏への人口移動も一段落しつつある現在、「駅前」だけでテナントが釣れる時代ではありませんし、バブルを経て日本人の不動産投資に対する損得勘定もシビアになっていますから、従来通りの温度感で「だいたいこんな感じ」の営業をしても契約は取れないでしょう。

建設物が完成した後、「維持費」ばかりかかる「負債」(”負”動産なんて表現もありますよね)になるのではなく、モノの流れ・人の流れから利益を生み出す「資産」となることを具体的にイメージし、かつ相手に伝える能力が求められるのではないでしょうか。

ただ造る、ただ販売や仲介をする、というこれまでのやり方は今後確実に通用しなくなります。
人の流れをどう作り、どんな価値を付加するのか。利用シーンを想像して顧客に伝え、場合によっては完成後の施設運用まで担当するというような総合的マネジメントも必要になると思われます。

「生活基盤(インフラ)をより具体的・総合的に提供していく」という点をポジティブに「面白そう!」と感じる方は、説明会などに足を運んでみてはどうでしょうか。

★他業界の分析情報はコチラへ

これから就活を迎える大学生へ

現在、デキルニンでは【デキルニンの就職塾】という就活支援サービスをご提供しています。

一人の就活生に対して一人の就活トレーナーがマンツーマン指導を行い、『提出先企業に最適なESが書けない』『なかなかESが通らない』『面接で落とされてしまう』などの課題を解決します。

また、近時早期化する就活現場の動きに合わせて、『早期に動き出してライバルに差をつけたい』『志望企業のインターン選考を突破したい』『短時間で集中的に就活対策がしたい』という大学1~2年生にも最適です。

【デキルニンの就職塾】で就活トレーナーとして指導するのは、キャリア形成サポートのプロである“キャリアコンサルタント(国家資格保有者)”です。

キャリアのプロだからこそできる専門的かつ効果的な指導で、お子さんの内定をグッと引き寄せます!

デキルニンの就職塾 – 専門家が教える個別指導の就職塾

The following two tabs change content below.

吉田 竜一

大手外資系企業のプロジェクトマネージャーを経て、人財育成コンサルタントに転身後、人材育成研修等のプラン設計・講師などを歴任。現在、アンタントコンサルティング株式会社代表。「企業と人財のミスマッチを防ぎ、現場力を高める」がモットー。

アンタントコンサルティング株式会社HP

人材育成コンサルタント・吉田竜一の就活プロファイル