★デキルニンの就活業界分析★金融業界編

デキルニンオリジナルの【金融業界分析情報】です。業界を細分化して分類。さらに金融業界の「離職率」や「平均給与」情報も掲載。もちろん、業界動向が分かる「TOPICニュース」や「今後の業界展望」、「求められる資質や能力」にも言及!

人財育成コンサルタントの吉田竜一です。

業界分析とは、世の中にある業界の種類やその特徴を知り、自分が興味のある業界を見つけるために行う就活の大事な作業のひとつ。

「人気企業ランキング」などを見る前に!
業界地図などの本を読む前に!

まずは各業界の概要を知ることから始めましょう。

今回は金融業界を取り上げます。

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金融業界って何?

「金融」という言葉は「資金を融通する」という行為から生まれました。資金が余っている人から必要な人に移転(貸し出し)して、利子や手数料で儲けるのが金融業です。

最初は、お金を持っている人・集団からお金を必要としている人・集団への単純な融資だけでしたが、時代が進むにつれてお金を集めて保管するサービスや預けられたお金で取引の決済をするサービス、株や債券といった証券の取り扱いサービス、加入者全員でリスクを負う保険(不運が起きた場合にその当事者に他の加入者が資金を融通する)のサービスなどが新設されました。

歴史的に見て、ここまで長期的に多種多様なサービスが追加されてきた業種は他に無いのではと思います。

金融業界を細分化してみる

金融業界を簡単に細分化してジャンル分けすると、以下の通りとなります。

銀行:メガバンク、地銀、ネット銀行etc
証券:証券会社、投資銀行、証券取引所etc
ノンバンク:信販業(クレジットカード)、リース業、消費者金融etc
保険:生命保険、災害保険etc
その他:信用金庫、JAバンク(農林中金)、各種電子マネー事業etc

金融業界の離職率と平均給与

就活でみなさんが気にされる指標、「離職率」と「給与」について、統計を確認してみましょう。

まず、離職率です。


(引用:厚生労働省「平成29年雇用動向調査結果」より)

左から6番目の「金融業、保険業」をご覧ください。ご覧のとおり、金融業界は入職率・離職率ともに、かなり低い業界です。

私の肌感覚としても、人の出入りは少ない業界という印象があります。金融業界から他業界へ転職したり、他業界から金融業界へ転職したり、といったケースもほとんど聞きません。
IT技術者がWebサービスの拡充に伴って中途採用されるといったケースを除いては、金融関係の経験無しに転職すること自体が困難だと思われます。

続いて、給与についてのデータをご紹介しましょう。


(参考:国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査」より)
※元資料142ページの数値データをもとにグラフを作成、代表的な業種をピックアップ

黄色太線が金融業、保険業の平均給与です。

グラフを見れば一目瞭然ですが、他業種と比べると高給な業種と言えます。全業種の中で「電気・ガス・熱供給・水道業」に次いで高給です。

ただし、こちらのデータは全就業者の中の「源泉徴収を受ける給与収入者」から抽出した集団をサンプルとしていますので、学歴(中卒・高卒・大卒)や職掌(総合職・一般職・現業職)の区別がされていません。そのため、中卒・高卒の就業者が多く、一般職や現業職の比率が高い業種は平均給与も低下する傾向にありますので、その点は注意してください。

金融はお堅い業界なのか?

私の幼少期は、ちょうど「バブル景気でイケイケドンドン」の時代でした(ピンとこない学生の方は御両親に訊いてみてください)。また、住んでいたのが都市部ではなく地方でしたので、高給サラリーマンといえるような人も少なかったように思います。

そのため、近所の地銀で働いている方々に対しては「羽振りが良く、全体的に大人しくて、お堅い人々」という印象を持っていました。

しかし、バブル崩壊を経てその感覚はガラッと変わりました。

不良債権の処理で経営危機に陥り、政府から公的資金を投入されて生き永らえるというケースがいくつもありましたし、酷いケースでは破綻という事態に至るケースもありました。

経営危機を乗り越えるために、貸し渋り(お金の貸し出しに消極的になる)や、貸し剥がし(すでに貸し出したお金を、期限前に返済を迫る等)が横行して、社会問題にもなりました。

「銀行というのは晴れの日に傘を貸して、雨の日に傘を取り上げる」なんて言われ始めたのもこの時代だと思います。

そんな時代を経て、企業としての「安定してそう」という印象は、もはや崩れ落ちています。

昔は「公務員の次に安定していて、公務員より高給」と言われていたものですが、現在はとてもそんな状態ではありません。異業種の参入や、ATMの増加、インターネットサービスの拡充などにより、国内の銀行が営業エリアを越えて利益を奪い合う戦国時代になっているのです。

金融業界の変遷と現状分析情報

日本国債 “ウハウハモデル”の終焉
10年ほど前は、メガバンクや生保といった大型金融企業(機関)の利益モデルと言えば、「日本国債の運用」でした。
低金利でお金を集め、それより高利な国債を購入して、その利子の差額で儲けるという方式です。
しかし、自民党が政権復帰してアベノミクスが始まり、日銀総裁が黒田氏に交代して大規模金融緩和策が実行され、国債の金利も大幅に下がったことで状況が一変したのです。

明日の食い扶持を探す金融業界
国債運用で稼げない状況に陥った金融機関は、おおむね以下の4つの施策を打ち出しています。
①融資を増やす
②株や為替で稼ぐ
③手数料で稼ぐ
④固定費を減らす

現在、金融機関はこの4つの策で利益を確保しようと躍起になっています。

「①融資を増やす」に関しては、思うように数字が上がっていません。
バブル崩壊・リーマンショック・ギリシャショック等の経験から「金融機関の経営健全化」が世界的な潮流となっており、そのための様々な規制が現在進行形で構築されているのが原因です。

「②株や為替で稼ぐ」についても、安定的な利益には至っていません。
世界経済の情勢に大きく左右される分リスクは大きく、こちらも「金融機関の経営健全化」と反目するからです。

このような状況のため、消去法的に「③手数料で稼ぐ」と「④固定費を減らす」を選択している金融機関が多いのが現状のようです。

「③手数料で稼ぐ」については、直接的に手数料を上げていますし、ネット銀行の機能強化などによって決済回数を増加させようとしています。「〇〇万円以上の預金があれば、月々の振込は××回まで無料!」なんてサービスを各金融機関がこぞって行っていますが、それも手数料収入を確保するための、客の奪い合いの現れなのです。
また、信託銀行や証券会社などは資産運用を長期的に担当することによって、資産運用手数料を増加させようとしています。

「④固定費を減らす」については、IT化・機械化による省力化が進行中です。ITや機械は数字で判断する定型業務が得意分野です。金融機関という業界は数字ベースで動くことが要求される業界ですので、IT化や機械化と非常に相性が良いのです。今までは店舗のカウンター内でやっていた仕事がどんどん機械化されています。対面営業の機会が減少し、ATMやWebサイトでほとんどの取引が可能となっており、店舗の統廃合や経営体力の弱い地銀が他行との合併を迫られるケースも引き続き進行するでしょう。

殴りこんでくる異業種

近年は異業界からの金融業界への参入が相次いでいます。ソニー(ソニー銀行、ソニー生命、ソニー損保)、セブンイレブンジャパン(セブン銀行)などが代表的です。

また、広義の金融という意味では電子マネーも含まれます。
鉄道各社の鉄道ICカード(Suica,PASMO,ICOCA等)、楽天のEdy、NTTドコモのIDなどが代表例です。

これらの参入企業が強い理由は、「基本的に店舗を持たないため、コスト面で大きく有利」という点と、「手数料の源泉となる取引を本業で発生させられる」という点です。

これは上記した「③手数料で稼ぐ」と「④固定費を減らす」の利益確保策にそのまま当てはまる強みです。

「堅実」というイメージは崩れつつある

筆者の世代、あるいはそれより上の年代の方にとっては、金融業界と言えば「堅実」なイメージでしたが、その後のバブル崩壊、山一証券や拓殖銀行の破綻、政府資金による金融機関の救済、銀行の統廃合、外資・異業種の参入などを経て様相は一変し、「競争せずに業界内で住み分ける」という従来の考えでは生き残っていけない状況にあります。

今後、一層のIT化と機械化が進むであろう金融業界において存在感を発揮するためには、「ITやロボットを使う側」もしくは「ITやロボットを導入する旗振り役」にならねばなりませんし、仮想通貨などの新しい技術・決済手法についても、上手く利用して利益を上げねばなりません。

そういう現状から、
「文系だし、特にやりたいことも無いし、とりあえず銀行を受けよう」
「コンピュータとか苦手だから、あんまり関係無さそうな金融に行くんだ」
などという理由では当然のことながら通用しませんし、金融業界においても起業家精神が要求される時代になるのだろうと思います(もうすでになっているかもしれません)。

求められる資質や能力は?

まずは何よりも「数字を解釈できる力」が必要になります。

たとえば、「本四半期の売上目標は2億円で、2ヵ月終了の時点で売上実績1億円です」。

あなたは、即座に「ヤバいじゃん!」と感じましたか?

「四半期は3ヵ月、その2/3が経過しているのに売上が目標の1/2しか計上できていない」とパッと頭に浮かんだ人はとりあえずセーフ。

逆に、「ふ~ん」としか思わなかった方は残念ながらアウト!!

金融業界を志すのであれば、「数字を解釈できる力」が必須の資質です。

次に必要なのは「興味を持つ力」です。

IT化と機械化の加速により、これからの金融業界では「マニュアル通りの仕事」はどんどん縮小されていくでしょう。そんな状況の中で、貴重な戦力となりたいのであれば、
「今どんな業界が盛り上がっているのか」
「今後、どんな業界が成長しそうなのか」
「最新技術はどうなっているのか」
といったことに敏感でないといけません。

つまり、金融機関が持っている「豊富な資金」の投資先を発見する能力が必要なのです。

「特に目標とかないけど、安定してればいいかなと思って・・・」などという理由で金融業界(特に銀行)を選んで就職すると、労働基準法の移り変わりとともに、リストラ第一候補になってしまうかもしれません。

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吉田 竜一

大手外資系企業のプロジェクトマネージャーを経て、人財育成コンサルタントに転身後、人材育成研修等のプラン設計・講師などを歴任。現在、アンタントコンサルティング株式会社代表。「企業と人財のミスマッチを防ぎ、現場力を高める」がモットー。

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