★デキルニンの就活業界分析★飲食業界編

デキルニンオリジナルの【飲食業界分析情報】です。業界を細分化して分類。さらに飲食業界の「離職率」や「平均給与」情報も掲載。もちろん、業界動向が分かる「TOPICニュース」や「今後の業界展望」、「求められる資質や能力」にも言及!

人財育成コンサルタントの吉田竜一です。

業界分析とは、世の中にある業界の種類やその特徴を知り、自分が興味のある業界を見つけるために行う就活の大事な作業のひとつ。

「人気企業ランキング」などを見る前に!
業界地図などの本を読む前に!

まずは各業界の概要を知ることから始めましょう。

今回は、飲食業界を取り上げます。

2020年コロナ禍で飲食店の苦戦が続く中、Uber Eats配達やテイクアウトを活用して、新しい生活様式に対応し始めていますね。

飲食業界は学生の皆さんにとって身近な業界ですし、その他サービス業に通ずる観点も多いですから、志望者の方はもちろん、エントリー予定の無い方も、ぜひご一読いただければと思います。

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飲食業種を細分化してみる

"食品"業界との区分けが難しい業界ですが、本コラムにおいては「店舗を構え、その店舗で調理を行って飲食物を提供する」というサービス形態の企業を対象とします。分類は以下の通りです。

飲食店:和洋中レストラン、喫茶店・コーヒーショップ、居酒屋、ファーストフード店など
デリバリー:デリバリーサービス(ピザ、寿司、弁当)、ケータリングなど
テイクアウト:惣菜屋、弁当屋など

離職率と平均給与

続いて、「離職率」と「給与」について、統計を確認しましょう。

まず、離職率です。


(引用:厚生労働省「平成29年雇用動向調査結果」より)

飲食業界は「宿泊業、飲食サービス業」に該当します。「右から…」と言うより、「一番背の高い縦棒グラフ」と言った方が早いかもしれません。

グラフの通り、全業種の中で頭1つ抜けて労働者の出入りの激しい業界です。入職率・離職率ともに3割超ですから、「年始に居た従業員10人中3人が1年以内に離職・入職で入れ替わる」という状況です。

飲食業界は、非常に多種多様なサービスが展開されており、商品メニューや価格設定は企業によってバラバラですし、待遇や労働環境面も様々です。しかし、求められるスキルに似通っている部分はありますから、「労働者が自分の好みにあう企業や職場を探して業界"内"を転々とする」という傾向があるのではないかと筆者は考えています(「飲食企業を離職して、別の飲食企業に入る人が多い」という推測です)。

続いて、給与についてのデータをご紹介しましょう。


(参考:国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査」より)
※元資料142ページの数値データをもとにグラフを作成、代表的な業種をピックアップ

紫(パープル)色の太線が「宿泊業、飲食サービス業」の給与を表しています。

残念ながら、数字としては全業種の中で最も低い業界です。ただ、総務省の「平成29年就業構造基本調査」を確認すると、「宿泊業、飲食サービス業」は全業種の中で最も「非正規雇用者」の割合が高い業界ですので、全体数値が押し下げられているのは事実です。

ちなみに、「宿泊業、飲食サービス業」の非正規従業員の割合は62.3%。全業種全労働者に占める非正規の割合は約32%ですから、「非正規が圧倒的に多い業界」と言っても過言ではないでしょう。

とにかく人手が足りない!

飲食業界は人手不足が深刻化しています。

この人手不足が社会問題に発展したのが、数年前に話題となった「バイトの反乱」です。あの一件は飲食店の人手不足が根本原因となっており、人手不足による仕事量の増大に対し「バイトスタッフの堪忍袋の緒が切れた」ことで起きた事態でした。

統計データ上でも人手不足は顕著です。厚生労働省の「平成29年上半期雇用動向調査結果」によると、平成29年6月末時点における未充足求人数の最も多い業界は「宿泊業、飲食サービス業」で26万人となっています。

この人手不足を補うために、「働き方改革」を企業内で推進することが求められます。飲食業は他の業種の休憩・休息時間が稼ぎ時となるため、他の業種と「仕事量のピークタイムがズレる」という特徴がありますから、複数の仕事を掛け持ちするような労働者や短時間パートタイマーを効率的に業務にアサインしていく仕組みづくりが必要となるのではないでしょうか。

また、そういった副業的な労働力やパートタイマーを活用しようとすると、どうしても1店舗あたりのスタッフ数は増加します。スタッフ数が増加すると、サービス品質を均一に保つための「教育」や「連絡事項の共有」という負担が大きくなりますので、いかに効率的な「教育」や「伝達」ができるかが経営安定化のカギとなるでしょう。

外食・中食・内食について <ライバルはコンビニ?>

飲食業界を分析する切り口を2つ紹介します。

まず、飲食・食品業界を分析(分類)する際に用いられる切り口として、提供するサービス・商品を「外食・中食・内食」の3つに分けるという方式があります。

「外食」は「家の外で食事をする」という意味で、基本的に「外食=飲食店」という理解でOKです。「中食」は「買って来て家やオフィスで食べる」を意味しており、「総菜・弁当+デリバリー」がこれに当てはまります。最後の「内食」は自炊のことです。

上記3分類の中で、ここ最近伸びているのは「中食」です。単身世帯や共稼ぎ世帯の増加によって、自炊して食べるよりもお弁当や総菜を買ってきて食べることが多くなり、「中食化」が進んでいます。「テイクアウト可能」というお店が増えているのも、これが背景となっています。

ただ、この「中食化」を引っ張っているのは、昔から存在する飲食業界企業ではなくコンビニ業界です。お弁当、小分け総菜、麺類、丼もの、サンドイッチといったコンビニで販売されている中食商材は日増しに多彩になっており、飲食業界にとって脅威の存在となっています。

特に、同種商品を扱っている飲食店にとっては、直接的な利益の奪い合いとなる「商売敵」と言えるでしょう。「コーヒーショップ対コンビニコーヒー」などは明確に「ガチンコ勝負」となっていますよね。

こういう状況ですから、飲食業界には「コンビニ商品とは違う付加価値」の創出が求められています。安さや均一さという点においてコンビニと勝負するのは分が悪いですから、「トッピングや大盛小盛への対応」「調理過程を魅せる演出」「店舗の居心地の良さ」といった点で各社は対抗しようとしています。

「消費者を惹きつける独自性」をどうやって作り出すか腕の見せ所といったところです。

直営店とフランチャイズ店について

飲食業界を分析する際にもう1つ重要な切り口があります。それは「直営」と「フランチャイズ(以降『FC』と略)」という出店形態です。

参考までに、出店形態が極端に直営もしくは FCに傾いている有名チェーンを挙げておきます。

店舗のほとんど(もしくは全て)が直営というケースでは「すき家」「スターバックス」「サイゼリヤ」などが代表的です。

逆に店舗のほとんどがFCなのは「モスバーガー」「CoCo壱番屋」「コメダ珈琲」などが挙げられます。

さて、本題に入ります。

就活において(特に企業分析時)、頭に入れておくべき「出店形態によって生じる違い」は以下の2点です。
①財務諸表に表れる数字の違い
②入社後に担当する仕事の違い

まず、①の『財務諸表に表れる数字の違い』について説明します。
直営店は企業が直接経営していますので、直営店舗の売上や利益はチェーン本体企業の業績にそのまま加算されます。対するFC店はFCオーナー毎に独自採算ですから、FC店の売上や利益はチェーン本体企業の業績に直接加算されません。ただし、FC店に課すロイヤリティ(商標の使用料金・FC加盟料金のこと。ロイヤ"ル"ティとも言う)やコンサルティング料という収入が見込めます。

このため、直営比率が高いほど、売上高は高くなりますが、利益率は低めになる傾向があります。売上と共に材料費や店舗スタッフ人件費などが加算されるため、飲食業界の「薄利多売」傾向が強く出るのです。逆に、FC比率が高いほど、売上高は低く、利益率は高めとなります。

こういった違いを意識せずに、「御社の方がA社よりも利益率が高くて優良企業だと思いました!」などと面接で言ってしまうと、「知識の浅い学生」と思われかねませんので、要注意ですよ。

次に、②の『入社後に担当する仕事の違い』についてです。
直営重視とFC重視の企業では、正社員に与えられる仕事が違います。当然ですが、直営重視の企業であるほど「直接的な店舗運営」が主任務となります。実店舗に配属され、現場経験を積むことが求められる企業もあります。

逆に、FC重視の企業ほど「FC店のコンサルティング」という色合いが強くなります。チェーン本部とFCオーナーは個別に独立した企業・法人ですから、チェーン本部の社員は「FC店の運営・営業コンサルティング」や「FC店がチェーンのルールを守っているかの監査」といった仕事を与えられることが多いです。

FC重視傾向のある企業の面接にて「お店でガツガツ頑張ります!」などと言ってしまうと、「ウチはそういう仕事じゃ無いよ」と即終了コースになりかねませんので、必ずチェックするようにしてください。

求められる資質や能力は?

飲食業界で必要とされる能力はコミュニケーション能力の一部である「説明力(伝わる力)」だと思います。

この能力の必要性は直営重視企業であろうとFC重視企業であろうと変わりません。直営店に配属された場合は、多数の店舗スタッフ(最近は外国人の方も増加しています)に「教育・指導」することが求められますし、FC店のコンサルティングにおいてはFCオーナーや店長クラスに対し「アドバイス」をすることが求められます。

どちらのケースにおいても、「相手の考え方・理解力に適した、伝わる説明ができること」が必須なのです。

飲食業界において重要となるのは、ただ「伝"える"」のではなく、「受け手の考え方・理解力を考慮し、会話の中で理解度を確認しながら、相手に『伝わる』説明や伝達ができること」であると筆者は考えています。

待遇面に一種の「厳しい現実」があるのは否定できない業界ですが、衣食住の「食」という生活基盤を提供できる点は大きな魅力ですし、やりがいを感じられる業界だと思います。

また、独立開業に繋げるという意味では非常に優れている業界でもありますので、「将来の脱サラ」なんかを考えている方は飲食業界企業の説明会に行ってみるとよいのではないでしょうか。

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吉田 竜一

大手外資系企業のプロジェクトマネージャーを経て、人財育成コンサルタントに転身後、人材育成研修等のプラン設計・講師などを歴任。現在、アンタントコンサルティング株式会社代表。「企業と人財のミスマッチを防ぎ、現場力を高める」がモットー。

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